悲しい診断2018年04月27日 20:28

 
 昨日は、孫の嬉しい成長を描きましたが、今日はその反対で、夫の衰退?です。今や5人に一人の割合で「認知症」のひとが存在する時代と、何かで読みましたが、夫がその「一人」と診断をされました。

 今から30年ほど前の話ですが、母の性格が急に変わり、何かが起こっているのでは?と感じたのは、母が50代後半の頃でした。当時は、まだ「若年性」という言葉はなく、みんなが母に振り回され、母自身も「もうちょっとで抜け出せそうなの。いつも雲の中にいるみたいな気持ち」と、悩んでいましたが、60歳を過ぎてから、病名がつきました。「認知症です」と。

 母が何もかもがわからなくなるまでには、まだ10年はかかり、その間は苦しむとの説明を聞き、酷な病気だと思いました。でも、67歳での急死だったので、早すぎるという思いと共に、「楽になったんだね」という気持ちも心の隅にありました。

 そんな母の様子と、全く同じ症状が夫に見え始めたのは、今から数年前のことで、再婚をして間も無くの頃でした。脳腫瘍も定期的な検査をと言われていたにもかかわらず、放っておいたので、脳腫瘍故かとも思いましたが、最近2箇所の病院で「認知症の疑いあり」と。

 東京医科大学の口腔外科には、もう使えなくなってしまったインプラントを外すために、行きつけの歯科医から紹介され、ここから脳のMRIの予約がとられていました。

 本人曰く、「予約の日に行ったら、老人ばかりの(彼も十分に老人ですが)サロンのようなところに連れて行かれ、こんなところを予約したのではない!自分でMRIの予約を取って帰ってきた」とのこと。

 念のために、東京医大に電話をして確認をしたところ、「個人で脳のMRIの予約ができるシステムにはなっていない。必ずどこかの科をを受診して、そこからの予約になる」とのこと。

 結局、夫が紹介されたのは「高齢者医療内科で、そこで診察を受け、そこから脳のMRIを予約した」と、説明を受けました。本人は脳外科を紹介されたと思っており、また受付で怒り出すかもしれないので、私に付き添うようにと言われ、近所の医師からも「MRIの結果を聞きに行く時は、本人ではなく、私が聞いてくるように」とのことですので、これからは、病院の付き添いという仕事が増えます。

 Bangkokにいた時は、通訳も兼ねて、病院には付き添いましたが、日本では必要がないと思ったのが、間違いでした。どこの医者とも、大げんかをしてやめてくるので、おかしいな?とは思っていたのですが、まさか、ここまで進んでいるとは・・・。

 医者以外はまだその変化にあまり気がつかれない程度ですが、薬に関してはもうなんの薬やらわからないのはもちろんのこと、服用の時間帯もわかりません。薬の「分包化」というのがあると、友人から教えていただき、これからは服用しやすいような工夫が必要でしょう。→「分包化」ではなく、「一包化」との間違いとご指摘がありました。

 今まではもう少し「話が通じている」と思って会話をし、その都度アタマにきていましたが、昨日のことはもう覚えていないのですから、会話も相談も通用しません。

 認知症なのか、アルツハイマーなのか、脳腫瘍の変化もMRIの結果でわかるかと思います。しかし、この夫の世話をするという私の覚悟が決まるまでは、もう少し時間がかかりそうで、今は、また精神科の薬で凌いでいます。

 母のときは、「あの理性的な母はどこにも存在せず、母によく似た見知らぬひとのお世話をしているような切なさがありましたが、夫には、冷たいようですが、そんな気持ちはありません。病気が進行するに連れて、穏やかになってくれれば良いのですが、今のところはその逆で、都合が悪くなると、私を罵倒するという、このこととも関係がありそうです。

 何をどう考えたら良いのか、今はまだわかりません。「神様は、抱えられない荷物は背負わせない」という言葉があり、この言葉を信じて一日、いちにちをやり過ごして行こうと考えています。

 希望に溢れた人生がこれから待っている孫、その一方、人生の収束に向かおうとしている夫ですが、今まで彼なりに生きてきた、その尊厳だけは守りたいと思っています。

=友人が送信してくださったAngkor Vatです。Bangkokに住んでいるときに、夫と行っておけば良かった。=

コメント

_ Kazuko ― 2018年04月28日 11:59

「分包化」ではなく「一包化」です。Angkor wat では? (^ム^)

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